しびれる経験ですね(笑)。私も新規開拓営業ばっかりやっているので、容易に想像できます。
でも、私は海外で新規開拓営業するのが楽しかったんですよ。テレアポも、日本より全然やりやすいと思います。
シンガポールの人事の人って、テレアポしても意外に楽しくお喋りしてくれたりするんです。こちらの下手な英語も辛抱強く聞いてくれますしね。そこで営業として2年半働きました。
海外で働いたからこそ日本を客観的に見られるように
充実していた日々のように聞こえますが、なぜ日本に帰ることに?
24歳の時から海外で働いているんですけど、この年齢(当時29歳)になって、日本での経験がないのはどうなのかな、って思うようになったんです。
日系企業の人と話していると、日本語のビジネスマナーとか慣習とかやっぱり大事だなって。仕事も面白かったので、日本で人材業界の事もちゃんと学びたいと思いました。
上司に相談すると、すぐに本社のポジションを紹介してくれました。シンガポールから日本へ異動?になるんですかね。
2014年の10月に帰国して、今は引き続き人材の仕事をしています。海外の経験があってから日本で働くと、新鮮な発見があって面白いですよ。
何が一番違うと感じますか?
働き方に対する考え方ですかね。
日本人って仕事に対する責任感が強いと思います。それから会社に対する帰属意識、貢献しようっていうのが強い。
でもシンガポールは1年で転職する人とか多いし、とてもドライ。
あとはこだわるところも違います。
日本人ってやっぱりソフト面的なところを重視しますよね。働いている仲間が良いとか、組織風土が合うとか。
シンガポールは逆に給与とかキャリアパスとか、ハード面を重視する。どっちもどっちで面白いな、と感じます。
その経験は今の仕事に活きていますか?
はい、とっても活きていると思います。
海外で働いてみて「働くとはなんぞや」を考えさせられました。
シンガポールにいる時は「何でこんなにみんな転職するの?」と不思議でしたが、日本にいると「逆に日本人は何で同じ会社にずっといるの?」って思ったりします。
シンガポール人、日本人ともに、働き方やキャリアの作り方は、人それぞれなんだなと学ばせてもらいました。
荒井さんのお話を聞いていると、本当にキャリアカウンセリングに対して真摯な姿勢を感じます。
まぁ人材業界って大変ですけどね(笑)。
でも今年は新規事業の立ち上げメンバーに加えてもらって、一層頑張りたいなって思っています。しっかり結果を出して、いつかはまた海外に戻って支店の立ち上げとかに携われたらいいなーと思います。
私、同じ場所に3~4年いるよりも、新しい環境に常に行きたいタイプなんです。不安よりも面白そうという好奇心が勝っちゃう。
シンガポール支社とは今でもつながっているので、そのネットワークをいつか活かしたいなと思っています。シンガポール支社のみんながいるから頑張れているところもあります。
シンガポールは自分の生き方を決めてくれた国
素敵なお話ですね。最後に、シンガポールで働いたことは、荒井さんにとってどんな意味があったと思いますか?
私にとってのシンガポールは「今後の生きていく指針」を示してくれた国です。キャリアコンサルティングという仕事に出会えた国。
自分探しの結果、人材業界に引っ張ってくれた元上司に出会って、キャリアコンサルティングの仕事に出会って、これだ!って感じたんです。この出会いは、本当にラッキーでした。
荒井さんの行動力とポジティブなお人柄が、その運をたぐり寄せたんですね。それでは最後に、今後シンガポール就職を考えている方にメッセージをお願いします!
現地採用という立場で就職を考えている方は、ぜひ帰国後のキャリアも少しだけ想像してみてください。キャリアの相談に乗っていると、海外へ行くこと自体が目的になっていて、その後は考えていない人が多いです。
もちろんそれでもいいんですが、行った後に「で、どうしよう?」となるのは勿体ないかなと思います。日本では海外就職=遊び期間と思われてしまうことも、残念ながらまだあります。
実際に行ってから目的が変わるのは、全然構わないんです。ただ、行くことがゴールになるのだけはちょっと違うんじゃないかなーと思います。