大手企業出身者が語る!日本とシンガポールの違い | Good Job Magazine (シンガポールでの就職・転職のあれこれをお届けするWebメディア「Good Job Magazine」です。シンガポール就職のコツ、就職体験談など、シンガ ポールでの就職・転職を目指す人に役立つコンテンツを配信します。)

大手企業出身者が語る!日本とシンガポールの違い


はじめまして、シンガポールのメディア系企業に勤めております辻本と申します。
今回はGJCさんに誘っていただき、寄稿することになりました。どうぞよろしくお願い致します。

 

まず初めに、簡単に私の経歴をご紹介します。

大学を卒業後、新卒で大手電機メーカーに就職、営業として3年弱勤務。
その後、シンガポールのメディア系企業に転職、営業として1年間勤務中。

日本では誰もが知っている大手企業で働いていましたが、今後のキャリアや自分の目標のことを考えて、シンガポールに転職しました。
日本にいたときと比べると、良い部分も悪い部分もありますが、今回は私が1年間シンガポールで働いて感じた、日本との違いを5つご紹介します。

 

1. 通勤時間が違う!シンガポールはとにかく狭い。

シンガポールは、中心部から車で30分で国内のどこにでも行けてしまうほどの小国です。そのため、移動時間がとても短く、私は自宅からオフィスまで約15分で通勤できます。
それでも、他の社員や知人と比較すると、驚くほど通勤時間が短いというわけではなさそうです。
日本で勤務していた際は、1時間強かけ満員電車で通勤していました。通勤のストレスが軽減したのはもちろんですが、1日あたり約2時間通勤時間が減りました。その分、睡眠時間や自分の趣味に割ける時間が増えました。

 

毎朝の通勤バス内の光景です。混雑はなく毎朝座れます。

毎朝の通勤バス内の光景です。混雑はなく毎朝座れます。

 

2. 働き方の効率が違う!シンガポールは効率的。

シンガポール人は効率よく働くと、頻繁に耳にします。

日本との違いが表れている1つに連絡手段があげられると思います。WhatsAppはシンガポールで一番普及しているメッセージングアプリで、LINEと似たようなメッセージアプリなのですが、メールよりもサクッと連絡を取りやすく、社内外問わずビジネスの場でも重宝しています。
名刺交換をした相手からいきなりWhatsAppが来ることも日常茶飯事で、ビジネスシーンでの連絡手段として広く浸透しているように思います。

また、社外だけでなく、オフィス内でのやり取りでも違いを感じる部分があります。例えば、デスクは数メートルしか離れていない同僚と、直接話すのではなくGoogle Hangoutsというメッセンジャーツールでやり取りをすることも頻繁にあります。これは社風の違いもあるとは思うものの、シンガポールではとにかくスピードが求められる一面であるとも思います。

日本では「上司に遅刻や欠勤の連絡をLINEでするのは非常識」といった意見があるように、マナーや感情を重視する側面がありますが、シンガポールでは「便利なものを使って効率よく仕事をしよう」という意識が強く、日本とシンガポールの大きな違いの1つだと感じています。

 

3. 時間の感覚が違う!良い意味で時間にルーズな部分がある。

日本人とその他の国の人とでは時間の感覚が違うと感じています。

シンガポールでは、社内のミーティングやお客様との打ち合わせなど、約束の時間に始まらないことは少なくありません。遅刻して出社してきたり、しかも全く悪びれる素振りがなかったりと、正直最初は戸惑いました。日本では「開始時間に厳しく、終了時間に緩い」ように思いますが、シンガポールでは「開始時間にも、終了時間にもちょっとだけ緩い」と感じています。だからといって仕事に支障が出るほど遅れたりすることはほとんどなく、自分の時間に対する考え方が厳しすぎるのだと、考え直すきっかけになりました。

また、その他の時間の感覚として、シンガポールに来てから「忙しい」「時間がない」という言葉を聞く機会が増えたような気がしています。

日本人の感覚では「忙しい」「時間がない」と聞けば、寝る間を惜しんで働いて、それでもなお時間がない・・・と想像しがちですが、そうではありません。
定時までに仕事が終わらなさそうであれば、「忙しい」「時間がない」と言う人が多いように感じます。

実際に、さっきまで同僚が「忙しい、忙しい」と言って慌てていたにもかかわらず、定時を過ぎて気づいたら「あれ?帰っちゃった?」ということも多々あります。最初は驚きを隠せませんでしたが、仕事とプライベートの線引きをしっかりと引いており、時間外に仕事をやらないことを徹底している人が多いと、今では理解しています。

効率よく仕事を終わらせてワークライフバランスを重視するシンガポールらしい感覚だと思います。

もちろん仕事が立て込む時期や緊急時など、残業や土日出勤が必要な場合は働いている人もいます。
基本的にはみなさん仕事に対して熱心なので、定時ぴったりで帰ったからといっても嫌な感じは全くしないです。

 

4. 外国人受け入れのマインドが違う!外国人に対してとても寛容。

シンガポールは人口の約3割が外国人という、他に類を見ない多民族国家です。

仕事で関わる方々も、東南アジア人だけでなく、東アジア人、欧米人など多岐に渡ります。シンガポール人のお客様に拙い英語で提案しても、しっかりと聞いてくれますし、英語の巧拙ではなく提案の良し悪しで検討してもらえると感じます。
もし日本で外国人が片言の日本語で売り込みに来たら・・・と逆の立場で考えてみると、日本よりも外国人受け入れの姿勢が国民の心理レベルにまで深く浸透していると感じています。
そもそも国民の中でも中華系、マレー系、インド系など、いろんなバックグラウンドを持った人がいるので、当然と言えば当然なのかもしれませんが、多様性がある環境は、外国人にとって居心地が良いように感じます。

韓国人、中国人、インドネシア人、シンガポール人とルームシェアをしている自宅です。仕事以外でも多様性を感じることができます。

韓国人、中国人、インドネシア人、シンガポール人とルームシェアをしている自宅です。仕事以外でも多様性を感じることができます。

 

5. 自分の役割の大きさが違う!小さな組織で活躍するのはやりがいがある。

前職は全従業員数数十万人の大企業で、自分が会社に与える影響は微々たるものでした。
現職は社員20名弱の小さな会社です。自分の営業成績がそのまま会社の成績に反映され、自分が担っている役割が大きいと感じますし、それが大きなやりがいとなっています。実績を出せば出すほど会社は自分を必要としてくれます。その逆に、実績を残せなければ解雇されることもあります。そのため、「解雇できるものならしてみろ」という気概で本気で取り組みますし、他の社員も同様の気持ちで働いています。そのような環境で働くのは刺激が多く、日本の職場と大きく異なると感じています。個人的にはこれが一番の違いだと思います。

これは国による違いというより、個人的な会社選びの違いですが、シンガポールで働くと決めたからこそ選んだ会社であることは間違いありません。日本でやっていた仕事と全く同じことをシンガポールで出来るという例はほとんどなく、何かを変える必要がありましたが、その中でも会社規模を変えるというのは大きなポイントだったと思います。

 

まとめ

以上がシンガポールで1年間働いて感じた5つの大きな違いです。

もちろん他にも書き切れなかった違いはたくさんありますし、1年経った今でも新しい発見の毎日ですが、「なぜ違うのだろう」と背景を考えたり、シンガポールの良い部分を日本にも取り入れられないか考えたりすることで、日本との違いに戸惑ったり悲観したりせず、違いを楽しめると思います。
シンガポールへの就職を検討されている方々の参考となれば幸いです。

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