「そろそろちゃんと婚活しなきゃ」と思い、帰国
– そんなにシンガポールを満喫していたのに、なぜ日本に帰ることにしたんですか?
仕事に対して特に不満はなかったんですけど、3年という節目を迎えて色々考え始めたんです。シンガポールって季節も安定してるし、居心地良いし、何かギスギスしてないし(笑)、すごく快適。ずっといようと思ったらいられます。
でも、漠然と3年が過ぎたところで、このままいる意味がよくわからなくなってしまった。シンガポールは好きだけど、ここで一生終えるの? って。
住む国を変えても結局わたしは日本人。日本で暮らすなら年齢的なこともあるし、就活どうしようとか。婚活もせなアカンな、とか。「日本に帰りたい」と思えるうちに、帰ろうと決めました。
– 就活と婚活はアラサー女子の二大テーマですもんね。
ほんまにそう! 30~33歳までをシンガポールで過ごしたけど「楽しかったらええやん」みたいな感じで自由にのほほんとやってました。
でも日本の友達はみんな結婚して、出産して、生命保険とかちゃんと入ってて、下手したら老後のこととか考えてる。現実なんて見なくてもいいやーって思ってたけど、ふいに友達の出産の報告を聞いて、みんな普通に生活してるんだなーって気づきました。
だいぶ出遅れてますけど、そろそろちゃんと婚活もしなきゃと思って帰国することに。
まあ、意気勇んで帰ってきたものの、この一年間良い出会いはないという悲しい現実もありますけどね……。
帰国後は、普通に働き、普通に生活する
– こちらも同じ現実に直面中です(苦笑)。ちなみに転職活動の方はどうでしたか?
実は私、転職活動って全然してないんです。シンガポールで働いていた時の会社の社長がすごい良い人で、その人に今の仕事を斡旋してもらったんです。例の、面倒見の良いおっちゃんです。「日本に帰るんだったら、ちゃんと働けよ」って、いつも心配してくれていました。
シンガポールって、社長クラスの人とわりと気軽に話せるんですよね。日本だったら絶対に交合わないだろう人と出会うことができる。そういった人との距離の近さは魅力だと思います。
その人とは今も連絡取っていて、一緒に飲んだり、たまにメールしたりしてます。
– 日本に帰って1年半が経ちますが、戻ってきてどうですか?
日本に慣れたって感じですね。過ごしやすいけど、これが正解やったかはわかりません。
あの時は帰りたいと思っていざ帰ってきたけど、普通に仕事、普通の生活があって。海外に戻りたい気持ちもあるけど、今行っても結局同じことの繰り返しかなって思います。
帰ってきた頃は「ほんま婚活せなアカンな、人生設計せなアカンな」と思ったけど、そこに執着しなくてもいいかなと今は思います。
婚活も行ってみたけど、結局何もなくて。むしろシンガポールの方が良い人材おったんちゃうんかって。ほとんど全員既婚やったけど(笑)。
諦めとは違う、自分を受け入れるということ
最近、「こうしなアカン」とかはなくて、自分は自分でいいかなと思えるようになりました。私「やってみて、アカンかったらええわ」って思うタイプなんです。婚活もちょっとやってみて、まこんなもんか、と。
諦めというより、自分を受け入れられたんじゃないかな。あんだけ婚活って言いましたけど、結婚だけがすべてじゃないなって今は思えます。
あ、もし婚活したいなら、シンガポールで探すべきですよ。むしろシンガポール就職よりもそっち目指した方がええんちゃうかな。海外で働いている人同士だから、感覚も合う人が見つかると思いますよ。
– 恋愛のアドバイスになってますね(笑)。最後に一応、キャリアに関するメッセージをもらえますか?
もし迷ってるんだったら、一度海外就職してみてください。日本と違う環境で新しい発見もありますし、いろんな人脈が作れます。
特に目上の人とつながって、色々な話を聞けるのは勉強になります。シンガポールはとにかく楽しいんで、行った方がいいと思います!
インタビューを終えて
取材ということを忘れて、気づけば二人のアラサー女子による本音ぶっちゃけ大会となった今回のインタビュー。他のどの転職サイトでも見られない、海外就職者のリアルが詰まった内容になったのではないでしょうか。
Yさんの関西弁と、飾らない人柄のおかげで、終始楽しくお話を聞くことができました。
彼女のような根っからの明るさは、海外で暮らすには重要な資質ですね。明るい人の周りには、自然と人が寄っていきます。
Yさんの婚活、きっとうまくいくはずです! 貴重なお話、どうもありがとうございました!