日本での思いがけない”シンガポール”ブランド力
結果的に1年という短い期間でシンガポールを去ることに決めました。「たった1年? って周りに思われるのかな」という負い目は少しだけありました。でも、帰国という決断に迷いや後悔はありませんでした。
悩みに悩んで選んだ新しい仕事は、本当に面白かった。理想と現実が離れてモヤモヤしていたシンガポールよりも、自分のやりたいことができる日本の職場の方が充実していた。
こう書くと、シンガポールで働いたことの恩恵があんまりなさそうに聞こえますが、そんなことはまったくありません。むしろ思いがけないメリットが2つありました。
メリット①:「シンガポールの現地採用組で働いていた」というブランドで仕事ができる
今私がこうやってGood Job Magazineで執筆しているのも、まさにシンガポールで現地採用として働いた経験があったからこそです。
また「シンガポールで採用に関する仕事をしていました」と言うと、なぜかタイやマレーシアといった周辺国の仕事も声をかけてもらえるようになります。
結局、駐在とは違う立場で東南アジアを自由に動き回れる日本人というのはまだまだ少ない。ワーホリでも留学でもバックパッカーでもなく、現地社員として「働いた」経験がある人は、日本の労働市場において貴重な存在です。
たった1年であってもシンガポールに自ら出向き、実際に働いたことが評価されます(とはいえ、中身が伴ってないとダメですけどね)。
メリット②:英語で仕事ができる自信がついたことで、世界を相手に仕事ができるように
英語で仕事ができる。これは本当に大きな財産になりました。英語ができても仕事ができない人がビジネスの世界で生き残れないのは当然ですが、仕事ができても英語でコミュニケーションが取れない人もまた、世界を相手にビジネスするのは難しいでしょう。
英語に関しては、シンガポール人に限らず、出稼ぎに来ている周辺国のアジア人に対して頭が上がりません。彼らの英語は完璧ではない。ほとんどが留学経験などありません。けれども商談を前に進める英語術を身につけている。訛りの強いシンガポール人の英語をシングリッシュと揶揄する人もいますが、的外れだと思います。
私もシンガポール人や外国人の同僚に混じって、自分なりの英語で仕事を進めてきました。もちろんコミュニケーションがうまく取れず衝突することもありましたが、そのおかげで、今では世界中の外国人相手に毎日ビジネスをできるようになりました。
現地の人だけでなく、世界中を相手に仕事ができる自信がつくのも、多国籍なシンガポール就職ならではのメリットかもしれないですね。
まとめ
シンガポールで働いた1年を通して、自分が働く上で大切にしたい軸は”国”ではなく”仕事そのもの”なんだと実感しました。
それは、シンガポールで実際に働いてみなければわからないことでした。この大きな気づきこそが私の「去り時」でした。
シンガポール就職のその後の進路ですが、上に書いた通り「シンガポール」×「キャリア」というキーワードによって新しい職を手に入れることができました。
「海外で働いたら、もう日本でまともな就職が出来ないんじゃないか」と不安な人もいるかもしれません。でも、やる前から不安視して嘆くよりも、実際に働いてみて、働いた事実を今後どう生かすか考えていく。その方が建設的ではないでしょうか。
私自身、シンガポールにいた当時は何度もつまづきましたが、結果的にシンガポールでつまづいたからこそ今の自分があると思えます。
迷うくらいならまずやってみる!
シンガポールで働いた経験は、きっとあなたの人生にも大きな気づきをもたらせてくれると思いますよ。