こんにちは!
Good Job Magazineの大島です。
今回は、実際に私がシンガポールで働き始めた頃に経験した苦い思い出と、そこから学んだ教訓をお伝えしたいと思います。
“夢のシンガポール勤務”に対する勝手な妄想
そもそも私がシンガポールで働きたいと思った理由は「アジアでビジネスを新たに立ち上げる経験がしたい」からでした。
この目的にかなう会社を探していると「東南アジアの中心地シンガポールでの支社立ち上げ。将来の幹部候補を大募集!」という、イケイケの日系企業の求人に出会いました。職種はBusiness Development。
Business Developmentの仕事内容はよくわからなかったけれど、その謳い文句に惹かれ、迷わず応募。あれよあれよと選考が進み、たった2週間ほどで新たな就職先が決まってしまいました。
あまりのスムーズな展開に、浮かれモード全開になった私。そこから“シンガポール勤務”に対する期待は急激に高まっていきました。
働き始めて気づくシンガポール就職のリアル
職場はRaffles Placeというシンガポールの中心地にそびえ立つ高層ビル。1階には欧米の金融機関がオフィスを構え、その横をスターバックス片手にビジネスパーソンが颯爽と通り過ぎていきます。
「このドラマのワンシーンみたいな国で、私は働くんだ!」
実際にシンガポールに来てから、期待値はさらに上昇。私は無意識のうちに「シンガポールの支社立ち上げに携わる将来の幹部メンバー」という仕事内容に、完璧な理想郷を重ね合わせていました。
私が勝手に抱いていたイメージはこんな感じです。
- 将来は起業を考えている、ビジネスを自分で創りたいなど、“意識高い系”の同僚がきっと集まった会社なんだろう。そんなメンバーに囲まれて、バンバン経営会議に参加したり、新規事業を立ち上げたりするんだろう。
- 職場には外国人(主に欧米人)が溢れ、毎日英語漬けの日々なんだろう。
- 金曜の夜には志を同じくしたプロフェッショナルな仲間とPubに出かけ、ビジネスや国際情勢について議論するんだろう。
しかし当然現実は妄想とは異なり、実際の職場はこんな感じでした。
- さまざまな目的で働いている人がいる。何もみんな「海外での支社立ち上げ」=「起業家マインドを持つ人」たちではない。当然だが平社員からのスタート。新規事業を立ち上げるのではなく、新規に顧客を開拓するのが仕事。
- スタッフの構成は50%がシンガポール人、40%が日本人、残り10%が日本人以外の外国人(マレーシア、ミャンマー、ベトナムなど)。欧米人はゼロ。英語よりも中国語と日本語に囲まれる毎日。
- 金曜の夜には近くのフードコードで缶ビールと屋台フードで恋愛話に花が咲く。
どちらが良い・悪いという議論は一旦置いておいて、とにかく私がイメージしていたシンガポールビジネスライフと現実は、相当な乖離があったのです。