仕事に対する価値観編
8. 「雨が降っているから遅れます」と言われても驚かない。
シンガポールでは「晴れのち曇りのち時々雨」みたいな全部盛りの天気予報がよくあります。メチャクチャ晴れていたかと思えば急に激しい雨が降って、ピタってやむ。そしてまた晴れる。
けっこう激しい雨なので、リアルに足止めを食らいます。傘をさしたら移動できるレベルではないです。
日本だったら、ビショビショになってでも時間通りに約束のアポへ! となりますが、シンガポールだと「雨が止むまで待とう」となります。
そんな理由じゃ怒られるでしょ、と思いきや「雨だとタクシーが全然つかまらないから、仕方ないよね」と先方もおおらかに遅刻を受け入れてくれます。
ヤキモキしているのは日本人の私ただ一人。ここら辺に時間に対する感覚の違いを感じました。
日本ではあり得ない理由ですが、もし雨のせいで遅れるよと言われても、寛容な態度で受け止めるようにしましょう!
9.周りがどんどん転職していっても驚かない。
服装だけじゃなく、労働マーケットもバブル時代を彷彿させるシンガポール。働く側に有利な売り手市場が続いています。
キャリアの価値観については欧米に近く、一社に長く勤務して昇給するよりは、転職をしてキャリアアップを図るのが当たり前と考える人も多いです。若い人は大体1~2年で職場を変えています。
ちなみに私が勤めていた会社も、1年でほとんどの人が入れ替わりました。
なぜこんなことが起きるのでしょう?それは次の10個目のポイントにもつながります。
10. 「仕事の動機は金です」ときっぱり言われても驚かない。
シンガポール人に「あなたの転職の動機は何ですか?」と聞くと「もっと良い給料が欲しいから」ときっぱり言われます。
日本人からすると「いやいや、例えそうだとしても、そんなハッキリと言う!?」と面食らってしまうかもしれません。
みなさんだったら、転職の動機がお金と言われてどう思いますか?
ここで考えるべきは、シンガポールと日本の雇用環境の違いです。
まず大きなところでいうと、解雇に対するリスクの違いでしょう。
むやみやたらに解雇されることはないですが、シンガポールは総じて雇用側に有利な制度になっています。極端に言えば「成果が出てないからクビね」ということがあり得ます。
また評価軸も違います。
日本では勤続年数や仕事への姿勢、プロセスなどが評価されますよね。一方欧米の考えが強いシンガポールでは、結果重視。成果報酬のスキームもしっかりしていて、結果を出せればかなり稼げるようになっています。
このような雇用環境では、会社への忠誠心を育てるのは難しい(というより期待すべきでない?)のもうなずけます。
同じ業務内容なら、少しでも待遇の良い会社に移ってキャリアアップを図りたいと考えるのは当然ではないでしょうか。
一昔前の日本のように「安い給料でも、今を耐え忍べば長期の安定と保証が待っている」という感じじゃないんですね。
現地の事情を知らずに「シンガポール人は忍耐力が足りない」とか「給料の話しかしない」と、日本から持ち込んだ価値観で一方的に判断するのはいかがなものかな、と思います。
まとめ
2回にわたり【シンガポール人の職場になじむために抑えておきたい10のポイント】をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
外国で働き始めると、必ず文化や仕事の価値観の違いにぶつかり、悩む瞬間が訪れます。
分かり合えずにイライラする時もあるでしょう。無理に自分の意見を曲げる必要はありませんが、まず相手を理解しようとする姿勢が大切なんじゃないかと思います。
シンガポール人をより深く知って、充実したシンガポールライフを送っちゃいましょう!