期待と現実のギャップに悩む日々
正直、東南アジア出身の同僚に囲まれ、中国語が飛び交う職場は大好きでした(もちろんフードコートの飲み会も)。イメージとは違ったものの、良い意味で期待を裏切られた感じです。
でも、仕事内容に対する期待と現実のギャップだけは納得がいかなかった。
ちなみに英語の”Business Development”には「新規顧客開拓」と「事業開発」という二つの意味があります。私はてっきり事業開発をやるんだと思い込んでいたのですが、配属は新規顧客開拓の営業部隊。
しかも、やり方は「ザ・ド根性営業スタイル」。ただでさえ嫌いだったテレアポ、飛び込みを英語でやると知った日には、正直モチベーションが一気にダウン……。
3ヵ月経ってもなかなか成果を出せず、イライラもたまっていきました。
「なんでこんな非効率なやり方をしているんだろう」「なんでこんなに不平等な資源配分なんだろう。」
気づけば、会社や仕事の悪い面だけが目につくという最悪な状況に陥っていました。
妄想を捨て現実に向き合う
「どうすればこの状況から抜け出せるのか」
前職のコンサルタント時代「課題にぶつかった時は必ず原因の本質に立ち返れ」と教わった私は、まず「そもそもなぜ自分はシンガポールに来たのか」を考え直すことにしました。裏を返せば「シンガポール就職から何を得たいのか」ということ。
すぐに、シンガポールでただ働くだけじゃダメなんだ、と気がつきました。私にとっては「海外で働く」ことよりも「経営に近いところで新規事業を立ち上げる」ことの方が優先度が高かった。この発見は実際にシンガポールで働いてみないとわからないことでした。
そして、新しい職場に完璧な理想郷を求めていたことにも気づきました。おそらく日本・海外関係なく、転職時には多かれ少なかれ期待と現実のギャップが起きます。ただ海外就職の場合は、憧れが強すぎて通常以上に期待を高めてしまうのかもしれません。
シンガポール就職はゴールじゃなくてスタート
私はこの苦い経験から2つの教訓を得ました。一つは「自己分析と会社分析はしっかりやろう」。もう一つは「シンガポール就職はゴールじゃなくてスタート」です。
内定が出れば、確かにシンガポールへの切符を手にすることはできます。でも、その会社で本当にあなたがやりたいことができるでしょうか。私のように海外勤務に憧れが強すぎるがゆえに、内定が出たら飛びつくのではなく、しっかり会社や職種研究をしたほうが、働き始めてからのギャップに悩むことが少なくなると思います。
それでも新しい職場が合うかどうかは、実際に働いてみないとわからないことです。転職をしたら、まずは真っさらな気持ちで仕事に臨む。それでも合わなければ次へ進む。そうやって悩み、自分に向き合いながら、働いていくしかないんだと思います。
私の失敗談から、少しでもシンガポール就職の“リアル”を感じ取っていただけましたでしょうか?
あなたの就職活動がうまくいくことをお祈りしております!